2.06.2014
silent film
先日はじめてサイレント映画を劇場で鑑賞しました。
それも即興演奏を合わせて上映するという形式のもの。
フィンランドのアキ・カウリスマキ監督による「白い花びら」に
音楽を合わせたのはノルウェイからやってきたHuntsvilleの3人。
ギター、ベース、パーカッションによる編成。
サイレント映画の中での台詞は、時折字幕が表示される程度。
少しおおげさな身振り手振りを記号的に捉えながら
話の筋は、自らの想像力に大きく委ねられます。
初めての経験でしたが、これは大変にわたし好みのことだと気がつきました。
本を読む時も、仔細にわたる説明的な文章より、
そこから飛躍して自分で想像できる余地が残されている方が、
読みやすいと感じるのと同じ感覚です。
Huntsvilleの演奏は、音楽が映像の背景にまわるのではなく、
映像と音楽の立ち位置が、同等くらいのところにありました。
最初、その配置が少し意外に感じたのも束の間、
冒頭の穏やかな農村の描写も、その平穏さが、
後に迫ってくる不穏な流れをかえって助長するように、
どくどくどくどくと鼓動を打つような音楽が、映像に追い打ちをかけ、
絶え間なく差し迫ってきます。
息つく暇なく展開するストーリーも半ば、
若さもずいぶん失った女性が、いわくつきのバーで
バンドネオンに合わせ、ひとり歌うシーン。
ここでHuntsvilleの演奏がぴたりと止みます。
そうすると実際に会場では音は何ひとつ鳴っていないにも関わらず、
脳内には聞いたこともない女性の歌声が、明らかに流れてきたのです。
歌うシーンが過ぎると再び始まった彼らの演奏。
ここはとても印象的なシーンでした。
上映後、幸いにも演奏していたご本人達とお話できる機会を得て、
途中の無音のところについてお話しましたら、
あの女性の歌う歌は実在するので、あえて演奏をせず、
そこだけ音楽の有無を反転させたのだそう。
観る側聴く側も含めて初めて完成される演奏を、体感しました。
お話の顛末はさておき、どんどん都会の色に染まり、
誘惑の道へと人生を踏み外して行く登場人物のうら若きJuhaは、
最初の垢抜けないワンピースにエプロン、作業着のコートや
くるぶし丈の靴下にゴム底シューズのほうが、
よっぽどかわいらしくおしゃれで、その変貌ぶりに一番やきもきしました。
ちなみにわたしの最近いちばんお気に入りの買い物は
ベランダ用の作業用サンダル。
見るからに傾きかけた履物屋さんで見つけた、たしか¥680。日本製。
ぐりぐりした緑色と迷いましたが、ベランダのペンキの色も
グリーンだったことを思い出し、青色を選びました。
こんなのがいいの?という声もあるかもしれませんが
こんなのがいいんです。
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