10.28.2012

好 き な 服




この時期、お洋服の買い物欲を止めるのが至難の業。
ちょっと空いた時間にふらっと入ったお店で
うっとりするようなお洋服に出会ったり。

いつもどこでお洋服買ってるの?と聞かれても
咄嗟に答えることがとても難しい。
色んなところで、気ままに買うし、
洋服好きのお友達にたくさんもらうこともあれば、
10年前に買った服も気に入ったものは毎年袖を通しているし、
両親や祖父母の服を勝手に自分のものにして着ていることも
多々あるので。

でも最近いちばんよく買っているお店は
新潟の古町にあるLIGHT CAVE  ATTIC OF ALICE
ヨーロッパ、北欧の古着を扱っていて
80年代あたりが中心と思われるけれど状態もよいものが多く、
今は生産されていないシャツ生地の風合いや、ワンピースのラインに、
出会ってしまった!とこれまでに何度運命を感じたことか。
年に数回訪れる程度なのに、すっかり顔も覚えて頂いたようで、
普段自分では選ばないメンズテイストなものなど
勧めてもらったりすると、さらに楽しみが広がって
ますます虜になっている。

その他、いいなと惹かれるお店もやはり
そのお店の個性を打ち出すデザイナーの方の世界観や
買い付けられている方のセンスが
確固とした独自のものであるところが共通点のような。
どうしても憧れてしまう、わたしにとって未知の部分が
たくさんあって欲しい。

20代の頃に、お店に並べる書籍だけではなく、雑貨を選んだり、
オリジナルのものを作る仕事をしていた際、
つい「かわいい!」と口を滑らしてしまうことを
その都度咎められた。
どうしてそれがかわいいと思うのか、考えてみて。と。

確かに、自分が心からいいと思えるものは
よく売れたように思う。
素材、かたち、使い勝手、価格、長く使えるかどうか、
他にはない何かがあるか...
結局のところ感覚的だったけど、今思えばよい経験をした。

でもどうしてそれが好きなのか、かわいいの理由を
根っこまで掘り下げて考えるのは、やっぱり今も難しいまま。


10.26.2012

よ い 朝






夏の湿度が消えたせいで、思考が明晰のよう。
暑いうちは勢いでざーっと済ませていたはずのことも
ひとつずつ立ち止まって、その意味を考えたりする頃。
誰かの悲しみも、風にのって伝播してくるくらい。

また武満徹の「サイレント・ガーデン 滞院報告・キャロティンの祭典」を
読み進めているところでもあるので、余計に普段の生活に
耳を澄ませる習性にある。

ーー 病室には生活音が無い。例えばペットの鳴き声、
   水道の皿を洗う音、遠くの子供の声 etc.

当たり前に目の前に在るものへの愛おしみほど
分ちがたいものはないと、朝の光を見るにつけ思う。
どうにか輪郭づけて、ほらほらと見せようとも
まだ少し寝ぼけている間に、あっという間に消えてしまう。

病院というと、思い出すのはやはり祖母のこと。
きっと頭の中は変わらず快活であるのに、
いまや言葉が、体が、ついていかない。
この間、顔を見て帰ろうとしたところ、
祖母の今ある力を残らず振り絞り、私達を呼び止めた声は
すごく強かった。

もう10年以上も前になるけれど、今は亡い祖父を
当時は車椅子に乗って外出していた祖母と2人で見舞った際、
今は面会できないと病院側から告げられた時の、無音の長い長い廊下。
あの時も、祖母の強い意志でなんとかかんとか
祖父に会ってから帰路についた。

そんなことを思い出す傍ら、今朝もちゃんとお腹が空き、目が覚め、
朝ごはんを食べ、今日は誰に会おうか、夜は何を食べようか、と
まるで何とも思っていないように当たり前に、
私は今を幸せに暮らしている。






10.13.2012

休 日 に





もう来年の手帳のことなど考えたりしている。

今年いちばん最初に観た映画「ルルドの泉で」から、
静かに興味の先が繋がっていて
ルルドの泉にまつわる本を、いくつか読んでいた。

それとは別に、浜田山の本屋さんで青土社フェアをしていた際
即座に購入した「フランシス・ジャム散文集」。
分厚い本なので、思い出す都度、かいつまんで読み進めていたところ、
秋になって、"わが娘ベルナデット"という章を見つけ、
先のルルドのお話とベルナデットが、自分の中で一巡してつながった。

そういうささいな繋がりが、小さくたくさん散らばっていることが
私にとって幸せの糧である。

久しぶりに行ったアトリエ Aでは
初めて参加したさちかちゃんと一緒に時間を過ごした。
あどけない少女の風貌そのままに
「わたしはピンクが好き。リボンが好き。舞踏会も好き。」
と、次々と出てくる好きなものは全部全部かわいいもの。

心からときめいたのは、
「アリエルが一番好き。わたし魚座なの。」
と言って、丁寧に人魚姫を描いていたところ。
そうして自分だけに特別に惹き付ける気持ち、
私もすごくわかる!と大きく共感。

アトリエの帰り道、ムギハナの前で
ずっとお会いしたかった方を、ちらとお見かけできたこと、
あきらめかけていた憧れの絶版本が
本屋さんで偶然にも見つけられたこと。

その日に起こったことひとつひとつが
愛しい記憶となって自分の中に折り重なっていく。