11.17.2011

さ ら に




先週につづいて、よいライブを堪能。
堪能というより遭遇したような、
またもその場にたまたま居合わせた感じ。

Tomi Lebrero と テニスコーツ と TAPE。
それぞれと共演する曲が、
場の空気もグラデーションにするひと刷けのようで
たまらなくよかった。

バンドネオンとギター、それから足で鳴らすベルを使って
ひとりきりで会場に音楽を充満させるTomi Lebreroに、
演奏後、あの足のステップで鳴らしてた楽器は何?と質問したら、
「あればベル。popoyansが使ってた。中国製かなー。」とのこと。
アルゼンチンの楽器かと思っていたら意外な答え。
そこにも人柄がうかがえて、何ともかわいらしい人だった。

いつか年老いて、色んな記憶が曖昧になった頃にも
この日の様子のことなどは、さらさらと話せたりするのと思う。
そういう記憶の残り方。

帰り道には星がきれいによく見えて、
これはライブ帰りで高揚してるから、そう見えるのかと思ったら
急に冷えたため空気が澄んだのだ、と翌日教えてもらう。

いつも冬が近づくと、空気もしんと静まって、
心のうちも透けて見えてしまわないかと
ひそかに心配している。
冬にはいまだ頬が赤くなるのもはずかしい。

いっぽうで、寒さにこごむことなく冬を過ごせるよう、
今日ひと駅分歩いた間に、いま一度気合いを入れ直した次第。
まるで怖いときに大きな声で歌って振りはらうような気持ちは、
夏生まれなりの冬対策。

11.11.2011

毎 日 を




昨日思った明日が今日なのに、
いつも明日明日と思ってしまいがち。

けれども、キチムでの小金沢健人さんの映像に、
原田郁子さんとトンチさんが即興で合わせる歌声は
今まさに、そこにいる人と時間を分けている。ということを
ゆっくり手を引いて諭すように、広く大きくフロア中に響いた。

見る、食べる、歌う、聞く、踊る・・・
すべてのことが一体となって
自分の皮膚に浸透していく不思議な夜。

その特別なライブイベントの前日も
塩川いづみちゃんと、女の人の内側について話していたところ。
口にしても、ぽかんとされることも多いこの話題に
心しっくりと来たのはいつぶりだろう。

今週は特別ぎゅっと濃縮された日が続き、
大阪から帰ったばかりのわたしに
ほら東京も悪くないでしょう。と見せられているかのようだった。

2011年も12月の最後の日まで
ぎゅうぎゅうにして過ごせたらいいな。

10.22.2011

い つ か の ど こ か



今回のツアータイトル " travel to home "
よくぞこう名づけたなぁ、と思わずにはいられない。

東京で出会った幾人もの大事な人と
生まれ育った大阪で会えたことは
本当に不思議な感覚で、すごいすごい嬉しかった。

最初、おずおずと東京にやって来た時には
想像もできなかったこと。

ただ到着地点はhomeなんだけれど、
わたしには今そう呼べる場所はないなぁ、と気づく。
言い換えると、どこでもそうなり得るということ。

明確な場所というよりも、
あぁこの瞬間。何も話さない今。ただ座っているだけ。
何でもない時ほど、そのようなものの片鱗が
目の前をちらちらと行き交う旅だった。

ほんとに楽しかった。
あたたかい気持ちを分けて下さった
すべての方に心より感謝。
またすぐ帰るけど!

10.01.2011

つながるつながる




それでなくとも常に鞄が重く、
年々、右肩下がりが気になるのに
朝1冊本を持っていけば、帰りには2冊になり、
2冊持っていても、帰りに3冊と雑誌と増えるのは、
もう止められないよう。

秋頃は特に、夏でさんざ稼働させた脳がからっぽにならないよう
自分なりに勉強の時間も作らなくては、と思うのか
最近は19世紀ヨーロッパの歴史のものなど
かいつまんで読んでいます。

かたや、ぷらっと立ち寄った本屋さんに並んでいた
新刊「高山ふとんシネマ」が、おもしろくて
購入した帰り道の電車で、ふと顔を上げると
降りる駅は、とうに過ぎ去っていました。

高山なおみさんによる映画、夢、本、仕事、過去についての
いろいろが並列に続く中、はっとしたのは、
わたしがいつもどれだけ身振り手振りを交えても、
そのよさを伝えきれない、よしもとばなな
「王国」シリーズについての章。

 —— あの頃、つま先から頭のてっぺんまで物語に浸り込んで、
 同じ部族の長老からのありがたいことばを、私はむしゃむしゃと
 食べるようにして読んでいた。


本を読んで、体に染みこませている感じを
同じように共有できた気がして、今ものすごく満足。
本の中で大きく握手を交わした気持ちです。

そういう事がまた、自分の実生活のつなぎ目に
重なる瞬間があるから、さらにおもしろいのです。


追伸:
何となくカバーを取ってみたら(どんなか必ず見たくなる)、
高山なおみさんの頭の中のポジショニングマップが出てきて
よけいに共感。わたしも時々書き出してみることがあるので。

9.14.2011

失くしもの




いそがしいの隙間に参加した
小林エリカさん松本 力さんVOQさんによる
天使の話・失くしもののワークショップ」が
たいへんよい時間でした。

自分の失くしたものを思いながら、
壊れた天使を修復する作業。
世田谷教会も本当に心落ち着く場所です。

それからいそがしいの合間に読み終えた
同じく小林エリカさんの「親愛なるキティーたちへ」も、
未だ心に余韻の残る、大切な1冊となりました。

自分がいかに小さな枠の中にとらわれて生きているか。
電車の中で何度も問いただされているような
気持ちにならざるを得ませんでした。

そうしてはじまったtokyo blue weepsのツアー"travel to home"。
先日共演して頂いたSOBAYAさんomu-toneさん共に
ほんとに興味の尽きない女の子達ばかり!

"travel to home"と題して、思いの宿る場所を辿る旅になると
想像していたけれど、これはもしかして
新しいhomeを見つける旅になりそう!と
もはや確信に近く、今そう思っています。

秋から冬にかけては、できたら図書館などにひとり籠っていたいと
口では言っていますが、やっぱりたくさんの人と出会って
また仲を深められたらいいなぁという気持ちは
ますます膨らむばかり。

失くしたと自分でそう捉えているだけで、
失うまえと変わらない部分も実は多かったり、
失ったからこそ、もっと大きな存在になっていたりすること。

毎日の気持ちの状態も変化しますが
なんとなく最近そんなことを考えています。

さぁ週末はいよいよお祭り、そして滋賀でライブです。

8.22.2011

travel to home 秋のライブツアーのお知らせ

(* こちらは滋賀おとくらでのアコースティックライブのお知らせ)


バンド活動を再開してから、まだ1年経っていないということが
何度言われても信じられないくらい
みっちり楽しんでます。

そして秋にtravel to homeと題したツアーがはじまります。

まずは9.11渋谷La.mamaから。
ガールズバンド2組
omu-toneとSOBAYAと共演します。
はじめてガールズバンドと対バン。楽しみ!

それから東京を飛び出し、
滋賀や大阪、福岡でもライブをします!
ツアーの最後にはKAIKOO POPWAVE FESTIVAL 2011
大きなイベントも控えていたり。

ライブを機会に、会いたい人もたくさん。
是非見に来て下さいね。

詳細こちら。
tokyo blue weeps travel to home "incarnations" tour

お越し頂ける方、直接私へご連絡頂いてもだいじょうぶです。

和太鼓が・・・笛が・・・兄弟が・・・
と、いつも途切れ途切れで話しても
なかなか説明しきれないところ、
ライブをご覧頂けるといっぺんに伝わるように思います。

それぞれのhomeという解釈には、
故郷はもちろん、大切な友達がいるところ、
遠くても思いを馳せる先など、さまざま。
ひとつひとつの場所ならではに、今の自分たちが足を踏み入れたとき、
ぽたりと落ちてくる気持ちはどんなもの?
・・・と、それを体感する日が待ち遠しいです。

お会いできることを楽しみにしています。

8.07.2011

時 間 と 時 間



忙しければ忙しいほど
合間に読む本と交歓する少しの時間が
いつもより濃くて、そのあとの自分への影響が
とっても大きい。

本によばれることは、大いにありうることだと
わたしはいつも思っています。
たぶん植物を育てる人が、枝や葉、昨日なかったつぼみと
何かしらやりとりをするように。

読書量は本当に知れていて、
知識も語れるほどには無いけれど
そんな本を扱っているとは、
なかなかよい仕事に就いたなぁと思う瞬間。

今年はお誕生日に3度もサプライズパーティーをして頂き
たいへん幸せものです。

一緒にお祝いしてもらった写真家の野川かさねちゃんは
前会ったときと、次会う時のあいまに
いつも必ず山へ登っていたり、ささっと海外に赴いていたり、
たぶんものすごい自然にいっぱい触れて、
都会へ戻って来ていてるのだけれど、遠く遠くにいたことを、
さらっとほかの話題にまぎれてさり気なく話すところが、
本当に群を抜いてきらめいています。

みな平等に時間を刻んでいるけれど、
その濃度は本人の加減にまかされている。
・・・ということを考えつつ、たいして遠出していないのに
またいい色に焼けてしまっている夏です。

7.05.2011

ミツバチハイキング&スライドショーのお誘い


(期間限定で予告編をアップしています。おうちで録音した覚束ない感じそのまま。)

7/9土曜日にLIBRO po MIELO
ミツバチハイキング
— みんなでミツバチになろう!

を開催します。

その日、みんなで人形町から丸の内までの間を
蜜源植物を辿りながら散策。

景色をおさめた写真とドローイングを
夕方、丸の内カフェでスライドショーにして鑑賞します。

スライドショーに向けて、
いま伴奏曲を作っているところです。
東京の空を飛び回るミツバチの気持ちってどんなふう?と。

Meadというはちみつビールもご用意。
夕暮れからのご参加や、お子様連れも是非。
お待ちしています。

6.03.2011

a song for Mountains



吉祥寺に新しくできたばかりのパタゴニア東京・吉祥寺にて開催される
写真家・野川かさねさんの写真展に合わせて、
スライドショーとトークイベントが7月に開かれます。

野川かさねさんの撮りためた山々の写真を上映するスライドショーに合わせ、
わたしと小木戸寛氏とで伴奏をすることとなりました。
ピアノとギターを用いた生演奏です。
(もしかすると鉄琴も。)

かさねさんの写真をちらっと拝見しましたが、
はっと息をのむような、静謐な空気。
その山にひゅっと吹いた風、くらいの伴奏を描いて
ただいま楽曲を作っているところ。

その頃はもう夏らしくなっているのでしょうか。

最近また、大きな驚きと喜びをともなう出来ごとが
たくさん突然降ってきているような。
その度、飛び跳ねたくなる気持ちを抑えるのがたいへんですが、
実はちゃんと過去に、驚きのたねは蒔かれていたのかもしれません。


_ _ _
a song for Mountains
野川かさね スライドショー&写真展
patagonia 東京・吉祥寺

//スライドショー//
2011/07/16(sat.) 18:30- 定員40名(要予約)
//写真展//
2011/06/24(fri.) - 07/18(mon.)

4.28.2011

つ よ い 風



去年の今ごろ散歩していると翻っていた鯉のぼり。
この日も風が強かった。


ライブの直前にときどき入るピアノスタジオ。
以前、スタジオへのエレベーターが開いたとき
思わぬ人が目の前に立っていて、ものすごく驚いたのですが、
今日、そのお方ご本人から、ひそかにピアノを練習されているということを
少しはずかしそうに教えて頂き、その様子がほほえましくて、
謎が解けたと同時に、とてもうれしい気持ちになりました。


私にとってピアノを弾くことは、そんなに特別なことではないけれど、
ピアノを弾かない生活というのは、あんまり考えられません。


ひとりで弾くのとは、また全くちがう気持ちでのぞんだ
tokyo blue weepsのアルバムでも、ピアノを弾き、笛を吹きました。
こちらでお聴き頂けます。 → iTunes

また5月7日(土)にはライブが控えています。
ライブやレコーディングは、同じピアノを弾くといっても
全くもって異なるできごととして、大きな意味合いが必ず生ずるのですが、
言葉にあらわすことは、とてもむずかしいです。
ただ撮って頂いた写真を見て、これまで見たことのない真剣な顔に
我ながらびっくりするばかり。

-- レコーディングに同行して頂いた写真家keiko kuritaさんによる
 小淵沢の空気に満ちた写真はこちら。 → here
 (アイコンをクリックすると大きな写真としてご覧頂けます。)

とはいえ、その日にしかないライブ、
その時にしかない気持ちで弾くレコーディングでのピアノも、
自分の中でもう1度よくよく眺めて、分解してみると、
ふだん何となく弾いているピアノと
そんなに変わりがない。とも思ったり。

特別な技術があるわけでもなく、
思ったとおりのことが、指から音になって
奏でられることに変わりはないのです。たぶん。

4.25.2011

と じ 込 め た



紙を ことばを 詩を 5月 と 7月を
蜜蝋でとじ込めた。
蝋引き。


先日の中華料理のさいごを飾った
りんごを飴であつあつにとじ込め、
冷水にくぐらして食べるというデザートも
感動的なおいしさ。


つかまえて固めてとじ込めて
どうにか留めておきたいものがあるけど
だいたいそうは行かなくて
さらさらさらさら流れていくばかり。

その音はきらいではないけれど。
流れゆく様をじっと眺めている。

4.09.2011

_ _ _



先日のatelier Aでは初めて会ったそうたくんの横に
ずーっといただけだけれど、
言葉に表しがたい、よい時間を過ごしました。
横からまりあちゃんが、私の頭を不意に撫でてくれたりするのも
なんだかタイミングを心得ていているのです。

atelier Aは、きっと人を慈しむ気持ちや、
なぐさめる優しさが人一倍ある子が多く、
(赤ちゃんの面倒見もいいし。)
そういう時の仕草には、ものすごく惹き付けられます。
すごいすごい素敵。

ひさびさ数日を過ごした実家では、
延々ピアノを弾いたり、おもむろにゲーテの詩集などを開いて
まったく別世界にひとり閉じこもる時間が長かったのですが、
家族の気配があるからそうしてる、ような。

誰かとただ一緒にいることって!と最近殊更に思い、
周囲のご厚意に大いに甘えて過ごしています。
べたべたと申し訳ございません。
大感謝。


**
写真は京都。昔住んでいた界隈をうろうろ。
お茶して本屋さん寄って。

3.31.2011

The Adventures of Maya the Bee / 蜜蜂マアヤ / Aventuro de Mielavelo Maya




2月に開いた「はちみつを味わう朗読会」を機に
ボンゼルス・作の小説「蜜蜂マアヤ」をじっくり読みました。

生まれたてのマアヤが
美しい小さな翅で、巣を旅立ち
目にするもの出会うことすべてに
純粋な興味を惜しみなく注ぐ冒険物語。

マアヤの一番見たかったものは
「人間」の本当の姿。
旅路で出会う昆虫たちに
人間について様々な話を聞くものの、
花の精に連れられ、ついに人間を目にする瞬間がやってきます。

ちょうどそのくだりとなる第十一章・妖精の旅を
前田ひさえさんが、墨色の絵におこし、
西村亜希子さんが映像に編集。
小木戸寛くんのギターにのせて、私は鉄琴を弾き、
できあがった「蜜蜂マアヤ」のアニメーション。

これから先に色んなことがあっても、
もしかして色んなことがあればあるほど、
ときどき思い返して見たくなる作品となりました。

3.09.2011

r e u n i o n



tokyo blue weepsのアルバムリリースを4月に控え
2曲先行配信がはじまります。

さらにiTunesにて「今週の1曲」に選出された
'reunion'が1週間 フリーダウンロードできます。
是非聴いてみてください。
you can download here !

小木戸兄弟とともに、わたしはピアノとリコーダーで
レコーディングに参加しましたが、
このreunionを弾いているのは
2年のうちに独学でピアノを弾けるようになった弟の寛くんです。
迷いのない旋律は、聴いていていつもうらやましいです。

新たな楽器に和太鼓を選び、周囲を驚かせた兄・としくん。
としくんにしか書くことができない歌詞が、
聴いた人たちにどんな風に届くのかな、と
今思いを馳せています。

知らない人のもとにも、届けたい人のもとにも、
なるべくたくさん届いたらいいなと思います。

3.07.2011

舞 台




2月は毎週のように横浜を訪れ
いろいろな舞台を見ました。

misaki kawai「えんぴつ体操」のドローイング展で
準備体操をしてからみたチェルフィッチュ

高嶺格「Melody ♥ Cup」。

それから小林エリカさんが演出に携わっていた
指輪ホテルのA woman is a woman is a woman.

舞台を鑑賞することは、これまでそんなに多くなかったので
よい意味で自分をからっぽのまま
ひとまず体感することで、予想しない方角からの衝撃を
たくさん受けたよう。

その場にひしめく空気がそのままにおい立ち、
こちらに伝わってくるのが舞台のおもしろさ。

それから同じく横浜で体験した
ヤン富田さんによる"パフォーミング・アーツ・アシッドテストVol.1"も忘れられません。
レコードにドーナッツ載せてHip Hop...
こちらもガラスショーケースの中に飾られていては
ぜったいに感じられないおもしろさ満載、
宇宙につながる時間でした。


それら刺激をいま体内に撹拌中といったところ。

a book girl / la libro knabino

2月にLIBRO por MIELO
前田ひさえさんと企画した
「はちみつを味わう朗読会」にて上映した
はじまりはじまりのアニメーション。



初めて見たとき、「わ。絵がうごいた!」という感動が押し寄せました。
もしかして現実より滑らかな動きをするアニメーションなど、
今はすっかり見慣れているはずなのに。

ピアノはひさえちゃんが「ずんちゃっちゃずんちゃっちゃ」と
口にしたままを弾いただけなのですが、
弾いたばかりのピアノと絵を
即座に、ぴたりと合わせて下さった亜希子さんにも脱帽。

初めてのことでしたが、こんなに息のあうことって
実はとても稀少なうれしいことなのだと思います。

1.10.2011

冬 眠 明 け



お正月休みは、大阪へ戻り
家族や親戚、長年おつきあいのある人たちとたくさん会って話したり、
実家の本棚にある魚喃キリコやらをぱらぱらと読んだり
HIROMIXに思い切り影響をうけた、当時の写真を引っ張り出して大学時代を見返し、
さらに遡り、真っ黒に日焼けして、やせっぽちな10歳の自分の映像を見て驚嘆し、
ソナタの楽譜などを弾いて、ピアノの先生の部屋の匂いを思い出し・・・

小学生の頃、夏休み冬休みとなれば一緒に過ごしていた、
みじん切りも波縫いも本当に細やかなわたしの祖母は、
すっかり寝たきりとなっているけれど、
顔を見たら、少しだけ目に涙をため、
わずかな指の力で手を握り、音のないことばを
ぎしぎしと伝えてくる。
もちろん元気な母も、無言でたくさんメッセージを
送ってくるけれど、それはわざと気づかないふり・・・。

でも1年前より、おせち料理もたぶん少しは上達し、
それから新しく生まれた友達の赤ちゃんを抱っこしたり。
東京に帰って来たら、会うべく人たちとは
約束なしに道端でばったり会うことができ、
本を読み、たくさん映画を観て、前に進んで行く時間。
かやのちゃんの絵の描き方が、さりげなく
でも明らかに進歩していたことも、驚いたし、うれしかった。

なんとなくまだ、時間を遡ったり、先を思ったりと
心が行ったりきたりしている1月。
その傍ら、年末にレコーディングした音源を慎重に聴き、
友達が描いてくれた絵を額装したりすることで、
止まることなく、ざんざんと流れていく時間やその瞬間の感情を、
どうにか瓶の中に閉じ込めようとしているのではないか、とも思う。
そうやって閉じ込めたものを、自分から手放してみる試みが
今年は控えている予感。

色んな人に同じことを言ったり書いたりしているけれど、
ほんとに今年も健康で、たくさん笑って、幸多き1年でありますように。